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腰部脊柱管狭窄症において握力は歩行能力と相関する
Handgrip strength correlates with walking in lumbar spinal stenosis
井上 泰一
1
H. Inoue
1
1自治医科大学整形外科
1Dept. of Orthopaedics., Jichi Medical University, Shimotsuke
キーワード:
handgrip strength
,
LSS
,
psoas muscle mass index
,
walking speed
Keyword:
handgrip strength
,
LSS
,
psoas muscle mass index
,
walking speed
pp.379-382
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_379
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【要 旨】
目 的:腰部脊柱管狭窄症患者(LSS)における握力と大腿四頭筋筋力,歩行速度,間欠性跛行の関係を調査すること.
対象および方法:2015年6月~2018年3月にLSSに対し椎弓切除術を行った患者を対象とした.術前に,歩行距離,握力,大腿四頭筋筋力,10m歩行テスト(時間と歩数),間欠性跛行の距離,単純腰椎CTで撮影したL3レベルでの大腰筋の面積,骨格筋の面積,psoas muscle index(PMI)を評価した.握力は貧血,高血圧などの併存症とも比較した.
結 果:対象患者は183(男性128,女性55)例,平均年齢は70.5歳であった.握力は大腿四頭筋筋力,10m歩行テスト(時間,歩数),骨格筋の面積,大腰筋の面積,PMI,間欠性跛行の距離について相関がみられた.年齢,身長,体重とも握力は相関がみられたが,BMIとは相関がなかった.また,貧血,高血圧,未婚であることは有意に握力が低下していた.
結 論:LSS例では,握力が強いほど大腿四頭筋筋力は増加し,歩数は減り,歩行速度は上がり,大腰筋と骨格筋の面積は増加し,間欠性跛行の距離は伸びた.年齢,身長,体重は握力とは関連していたが,BMIとは関連していなかった.貧血,高血圧,未婚は低握力と関連していた.
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