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特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅳ.住民コホートによる評価
3.大規模地域住民コホート研究(島根コホートスタディ)による早期変形性膝関節症検出への取り組み
Detection of early osteoarthritis of the knee with Shimane cohort study
熊橋 伸之
1
,
桑田 卓
2
,
多久和 紘志
2
,
内尾 祐司
2
N. Kumahashi
1
,
S. Kuwata
2
,
H. Takuwa
2
,
Y. Uchio
2
1松江赤十字病院整形外科
2島根大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Matsue Red Cross Hospital, Matsue
キーワード:
Shimane cohort study
,
ultrasonography
,
early OA
Keyword:
Shimane cohort study
,
ultrasonography
,
early OA
pp.619-622
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_619
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は じ め に
現在,変形性膝関節症(膝OA)の診断は単純X線像による分類であるKellgren-Lawrence(K-L)分類1)が一般的に用いられているが,骨棘形成,関節裂隙の狭小化などの明らかな所見があらわれてからしか膝OAを診断できないという問題点があった.さらに近年,早期膝OAの診断基準が提唱されており,2014年に東京で開催されたFirst International Early Knee Osteoarthritis(IEKO)workshopによる定義は,膝に痛みがあること,単純X線所見では関節裂隙の狭小化を認めないこととされている.単純X線像の変化前,すなわちK-L 0/Ⅰでも軟骨変性を侵襲なく簡便に検出する方法があれば,膝OAの早期診断に有用なツールとなりうる.
当大学では,2006年から大規模地域住民コホート研究(島根コホートスタディ)が行われている2,3).当科は2007年から地域住民検診に参加し,本問題を解決するため超音波機器を用いた膝検診を行ってきた.本稿ではその検診内容ならびにその結果4)について報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021