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特集 骨粗鬆症とリハビリテーション医療
1 骨粗鬆症の疫学—地域住民コホートROADスタディより
Epidemiology of Osteoporosis : The ROAD Study
吉村 典子
1
Noriko Yoshimura
1
1東京大学医学部附属病院22世紀医療センターロコモ予防学講座
キーワード:
有病率
,
累積発生率
,
サルコペニア
,
フレイル
Keyword:
有病率
,
累積発生率
,
サルコペニア
,
フレイル
pp.344-348
発行日 2019年5月17日
Published Date 2019/5/17
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- 参考文献 Reference
要旨 わが国の運動器障害とそれによる運動障害や要介護の予防を目的として,2005年に設立された大規模住民コホートスタディROADの結果から,骨粗鬆症(OP)の有病率を推定したところ,腰椎L2-4の測定で診断した場合は男性で3.4%,女性で19.2%,大腿骨頚部の場合男性12.4%,女性26.5%となった.3年間の追跡でOPの累積発生率を推定したところ,腰椎では0.76%/年,大腿骨頚部では1.83%/年となった.同様にROADスタディの追跡調査結果を用いて,サルコペニアの累積発生率を求めたところ2.0%/年となり,フレイルの累積発生率は1.2%/年となった.さらに,OPの存在は将来のサルコペニアの発生リスクを有意に上げていることがわかった.加えて,OPの存在は将来のフレイルの発生リスクを有意に上げていることもわかった.この結果より,OPは骨折リスクを上げるだけではなく,サルコペニア,フレイルの発生のリスクを上昇させることもわかった.
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