Japanese
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特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅳ.住民コホートによる評価
1.久山町研究
The Hisayama Study
中村 公隆
1,2
,
吉田 大悟
1
,
二宮 利治
1
K. Nakamura
1,2
,
D. Yoshida
1
,
T. Ninomiya
1
1九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野
2九州大学大学院整形外科
1Dept. of Epidemiology and Public Health, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka
2Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka
キーワード:
epidemiology
,
prospective cohort study
,
sarcopenia
,
muscle strength
Keyword:
epidemiology
,
prospective cohort study
,
sarcopenia
,
muscle strength
pp.610-613
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_610
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は じ め に
わが国では超高齢社会を迎え,健康な生活と長寿を享受できる健康長寿社会の実現が喫緊の課題である.加齢に伴い筋量や筋機能は徐々に低下することが知られている.このような骨格筋量の低下に加えて筋力や身体機能が低下することを特徴とする老年症候群はサルコペニアと呼ばれており,高齢者における介護予防と健康寿命の延伸の視点から注目されている1).近年,サルコペニアの診断基準に関する国際的合意1,2)が得られた.しかしながら,その実態や健康障害への影響に関する疫学的なエビデンスはまだ十分でない.
われわれは,福岡県久山町で継続中である地域住民を対象とした疫学研究(久山町研究)の成績を用いて,サルコペニアの有病率とサルコペニアの有無に関連する危険因子を検討した.さらに,サルコペニアが死亡に及ぼす影響を明らかにした.
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