Japanese
English
連載 卒後研修講座
スポーツ現場における整形外科超音波診療
On field diagnosis and treatment for sports injuries using ultrasound
笹原 潤
1
J. Sasahara
1
1帝京大学スポーツ医科学センター
1Teikyo University Institute of Sports Science and Medicine, Tokyo
キーワード:
sports injury
,
US
,
on field diagnosis
,
treatment
Keyword:
sports injury
,
US
,
on field diagnosis
,
treatment
pp.1291-1297
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1291
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
スポーツ活動は,時としてさまざまな部位に多様な外傷・障害をきたす.これらの多くは軟部組織損傷であり,従来の単純X線検査に頼った診断方法では,その損傷部位を的確に診断することは困難であった.軟部組織損傷を診断することができる画像診断ツールには,magnetic resonance imaging(MRI)と超音波検査がある.MRIでその詳細な診断を行うことは可能であるが,コストや検査に要する時間を考慮すると,すべての軟部組織損傷に対してMRIを行うことは非現実的である.一方,超音波検査は,簡便かつ非侵襲的に,リアルタイムに動きのなかで観察・評価することができる.さらに,ポータビリティにも優れているため,病院外に持ち出してスポーツ現場で用いることも可能である.また,超音波は画像診断ツールにとどまらず,注射や手術などインターベンションのガイドとしても有用であり,スポーツ傷害に対する診療において欠かせないツールとなってきている.
本項では,まず整形外科領域における超音波診療の優位性について解説し,スポーツ現場における整形外科超音波診療の実際について紹介する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021