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連載 最新原著レビュー
骨粗鬆症性椎体骨折術後の歩行能力不良関連因子
The factors related to the poor ADL in the patients with osteoporotic vertebral fracture after instrumentation surgery
村田 寿馬
1
,
西村 浩輔
1
,
小西 隆允
1
,
山本 謙吾
1
,
細金 直文
2
,
石井 賢
3
K. Murata
1
,
H. Nishimura
1
,
T. Konishi
1
,
K. Yamamoto
1
,
N. Hosogane
2
,
K. Ishii
3
1東京医科大学整形外科
2杏林大学整形外科
3国際医療福祉大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg, Tokyo Medical University, Tokyo
キーワード:
osteoporosis
,
vertebral fracture
,
spine surgery
Keyword:
osteoporosis
,
vertebral fracture
,
spine surgery
pp.1112-1114
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1112
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【要 旨】
目 的:本研究では多施設共同研究を行い,骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)に対する手術後の歩行能力不良に関与する因子を検討した.
対象および方法:OVFに対して脊椎インストゥルメンテーション手術を施行した309例の患者の術後歩行能力と関連する因子を検討した.
結 果:術後歩行不能患者は9.1%であった.単変量解析において,術前神経麻痺[オッズ比(OR):4.1,p<0.001],周術期合併症(OR:3.4,p=0.006),術前骨粗鬆症未治療(OR:2.7,p=0.03),術後副甲状腺ホルモン製剤(PTH)不使用(OR:3.9,p=0.006)が術後歩行不能と関連していた.これらの因子のうち,術前神経麻痺(OR:4.6,p<0.001),周術期合併症(OR:3.4,p=0.01),術後PTH不使用(OR:3.9,p=0.02)が多変量解析において有意であった.
結 論:術前神経麻痺,周術期合併症,術後PTH不使用がOVFにおける術後歩行不能と関連していた.術前神経麻痺や周術期合併症はしばしばコントロール不能であるが,術後PTH使用は十分に考慮しうる選択肢である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021