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特集 整形外科臨床研究の手引き――適切に行い,正しく読み解くために
Ⅳ.臨床研究に関する法律・規制
3.臨床研究関連規制 4)「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」のエッセンス
The essence of “Ethical Guidelines for Medical and Health Research Involving Human Subjects”
渡邉 卓也
1
T. Watanabe
1
1京都大学医学部附属病院倫理支援部
1Dept. of Ethics Support, Kyoto University Hospital, Kyoto
キーワード:
invasiveness and intervention
,
informed consent
,
handling of specimens and information
Keyword:
invasiveness and intervention
,
informed consent
,
handling of specimens and information
pp.622-626
発行日 2020年5月30日
Published Date 2020/5/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_622
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は じ め に
新しい薬や治療法を標準治療として確立・普及させるためには,その有効性と安全性の検証が必要であり,人を対象とする研究の実施を避けて通ることはできない.しかしながら,人を対象とする研究には,研究目的を達成するために意図的に研究対象者をリスク(心身のリスク,社会的なリスクなど)にさらすという側面がある.したがって,研究を適正に実施するためには厳格なルールが必要であり,研究者はルールを十分に理解・遵守し,高い倫理観をもって研究を実施しなければならない.2014年12月に告示された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」1)(「医学系指針」)は,広く観察研究から介入研究までの人を対象とする医学系研究全般を射程とする統一ルールである注1.
本項では,その医学系指針(および医学系指針の各規定の解釈や留意点などを説明した「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス」)2)の内容に触れながら,特に主要なエッセンスについて取り上げる.
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