整形トピックス
ロボットスーツHALを用いた人工膝関節全置換術後急性期における膝関節機能回復治療の有効性
-――通常リハビリテーションとの比較
兵頭 康次郎
1
,
吉岡 友和
1
,
新井 規仁
1
,
金森 章浩
1
,
山崎 正志
1
,
久保田 茂希
2
,
門根 秀樹
3
1筑波大学整形外科
2筑波大学運動器再生医療学
3筑波大学附属病院未来医工融合研究センター
pp.432-432
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_432
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人工膝関節全置換術(TKA)後の膝関節伸展可動域(ROM)低下は大腿四頭筋への負荷増大,歩行速度の低下,脚長差による歩容異常など,関節機能と患者満足度低下と有意に相関することが明らかとなっている1,2).TKA後急性期における膝関節伸展ROM低下の要因として,手術侵襲に伴う疼痛や大腿四頭筋機能不全が示唆されており,早期回復のために新たな治療法の確立が期待される.そこでわれわれはロボットスーツHybrid Assistive Limb(HAL)[Cyberdyne社, つくば市]動作支援下による膝関節伸展運動に着目した3~5).HALは筑波大学システム情報系で開発された装着型動作支援ロボットであり,単関節,両脚,片脚,腰の4タイプにわかれる.膝関節に装着するタイプのHAL単関節型(HAL-SJ)は,患者自身が発生する生体電位信号をもとに膝関節自動伸展運動をリアルタイムに動作支援しフィードバックする新しい概念(interactive biofeedback理論)に基づいた治療機器である6,7).われわれはTKA後急性期におけるHAL-SJを用いた膝関節機能回復治療の有効性を通常リハビリテーションと比較・検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2020