Japanese
English
特集 子どもの運動器障害――学校検診から日常診療まで
Ⅳ.主な運動器疾患と障害の治療
8.大腿骨頭すべり症の診断と治療
Diagnosis and treatment for slipped capital femoral epiphysis
遠藤 裕介
1
H. Endo
1
1岡山大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine, Okayama University, Okayama
キーワード:
slipped capital femoral epiphysis
,
diagnosis
,
treatment
Keyword:
slipped capital femoral epiphysis
,
diagnosis
,
treatment
pp.625-632
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_625
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は じ め に
大腿骨頭すべり症(slipped capital femoral epiphysis:SCFE)は,日本人では比較的まれとされてきたがその発生率は増加傾向にある1,2).また,近年トピックとなっている大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)に関しても,以前から遺残変形による変形性股関節症への進行が報告されている疾患である3).特にスポーツ活動が盛んとなってくる思春期前の児童に多く,膝関節痛で見逃されることもあり注意が必要である.急性期と慢性期での治療は異なるが,いずれにしても早期の発見が重要であり,将来的な関節症への進展を防止し関節機能を温存するための治療が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019