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特集 子どもの運動器障害――学校検診から日常診療まで
Ⅰ.運動器検診の概要と手順
2.検診結果のフィードバックと指導
Feedback and advice of results of school medical check-up
高橋 敏明
1
T. Takahashi
1
1愛媛大学社会共創学部スポーツ健康科学講座
1Dept. of Sports and Health Science, Ehime University, Matsuyama
キーワード:
school
,
medical check-up
,
sports injuries
Keyword:
school
,
medical check-up
,
sports injuries
pp.508-514
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_508
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は じ め に
運動器検診は,法令に基づき全国の小・中・高等学校で2016(平成28)年4月から実施されている1).これは小児人口の減少にもかかわらず,スポーツのしすぎによる運動器障害の増加と運動習慣がない小児の運動機能低下による運動器機能不全の増加に対応するためである.学校医による学校健康診断時に,運動器のチェックを実施し,運動器検診の結果,整形外科受診をすすめられた児童・生徒が整形外科を受診する.その際,整形外科医は診察の結果を学校に報告する必要がある.その受診報告書には,診断名と治療区分[① 治療・経過観察の必要なし,② 経過観察の必要あり(○月頃に再び受診する),③ 治療の必要あり(内容)④ 学校生活上,気をつけること]を記載する2).保護者はその報告書を受け取り,学校に提出し,学校は一定期間その文書を保管し,必要に応じて分析を行い,児童・生徒の運動器障害の予防などの健康増進に役立てる3).
そこで本稿では,整形外科医から小児や保護者,学校の指導者に対して,成長期の運動器疾患に対する具体的な指導内容について述べる.
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