書評
『酸塩基平衡の考えかた――故(ふる)きを・温(たず)ねて・Stewart』
門野 夕峰
1
1埼玉医科大学大学院整形外科教授
pp.1406-1406
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1406
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- 文献概要
いきなりではあるが「酸塩基平衡」について苦い記憶をもっている人は多いのではないであろうか? 化学の授業で酸と塩基を学ぶときに,はじめて出現したと記憶している.塩酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定する程度であれば,算数レベルの計算で十分である.大学受験レベルとなると一段階進んで,酢酸などの弱酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定するとなり,酸塩基平衡の基礎知識が必要となる.水素イオン濃度をX mol/lとして酢酸の解離定数Kを定数として用いながら方程式の解を求めていくことになる.この段階で,酸塩基平衡に対する苦手意識をもってしまう人が多いように思う.今,この場でも何だ? と思われている人もいるに違いない.
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