書評
酸塩基平衡の考えかた―故きを・温ねて・Stewart
碓氷 章彦
1
1名古屋大学心臓外科
pp.1114
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu72_1114
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- 文献概要
筆者は心臓外科医です.毎日のように心臓・大血管手術を行っています.心臓・大血管手術では,ほとんどの症例で人工心肺を使用し,心筋保護液で心停止を導入して手術を行います.血液循環は自己心拍から人工心肺に置き換えられるため,非生理的な循環となります.このため酸塩基平衡は大きく変化します.さらに,大血管手術では人工心肺により低体温を導入します.症例によっては20 ℃まで冷却し,全身の循環を停止して手術を行うことがあります.この場合,酸塩基平衡はさらに大きく変化します.筆者たち心臓外科医は常に患者さんの酸塩基平衡に留意しなくてはなりませんが,なかなか理解できないのが酸塩基平衡です.
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