Japanese
English
臨床室
筋電図検査でC5神経根障害と考えられた遷延性バーナー症候群の1例
Prolonged burner syndrome due to C5 nerve root injury diagnosed by electromyography
仲野 春樹
1
,
横田 淳司
2
,
根尾 昌志
2
,
佐浦 隆一
1
H. Nakano
1
,
A. Yokota
2
,
M. Neo
2
,
R. Saura
1
1大阪医科大学総合医学講座リハビリテーション医学
2大阪医科大学整形外科
1Dept. of Rehabilitation Medicine, Osaka Medical College, Takatsuki
キーワード:
burner syndrome
,
electromyography
,
cervical root injury
Keyword:
burner syndrome
,
electromyography
,
cervical root injury
pp.123-125
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_123
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バーナー症候群は,ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツの際に,外力によって頚部から上肢にかけての電撃痛や上肢の筋力低下が生じる疾患である.症状は数分で消失する場合がほとんどであるが,数ヵ月持続する遷延例も報告されている1,2).病態として頚部の過度な側屈に伴い,側屈側で神経根が圧迫されて起こる場合(神経根障害)と,側屈の反対側で腕神経叢が牽引されて起こる場合(腕神経叢障害)が考えられている.神経根障害と腕神経叢障害の経過の違いについて,過去の電気生理学的検査を用いた研究では,2週間以上続く遷延例は,神経根障害には起こらず,腕神経叢障害で起こると報告されている3).
しかし今回,上肢挙上困難(drop arm)が遷延したバーナー症候群の症例で筋電図検査を行ったところ,遷延例にもかかわらず,C5神経根の軸索障害を示した症例を経験した.バーナー症候群の遷延例で,電気生理学的に神経根障害が明らかにされた報告はまれであり,文献的考察を加えて報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019