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初期変形性膝関節症における内側半月板逸脱幅はT2 mapping MRIで検出する脛骨内側骨棘幅と関連する
Association of medial meniscal extrusion with medial tibial osteophyte distance detected by T2 mapping MRI in patients with early-stage knee osteoarthritis
羽田 晋之介
1
S. Hada
1
1順天堂大学大学院整形外科・運動器医学
1Dept. of Orthop., Juntendo University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
early-stage knee osteoarthritis
,
medial meniscal extrusion
,
osteophyte
,
T2 mapping
Keyword:
early-stage knee osteoarthritis
,
medial meniscal extrusion
,
osteophyte
,
T2 mapping
pp.867-872
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_867
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【要 旨】
目 的:変形性膝関節症(膝OA)の進行関連因子として,近年内側半月板逸脱(MME)に注目が集まるが,機序は不明である.今回,骨棘が内軟骨性骨化と同様の過程を経て形成されるため,骨棘の軟骨成分まで加味するとMMEは骨棘幅と関連するとの仮説を立てそれを検証する.
方 法:初期の膝OA 50例を対象に,MRIでMMEに加え,whole-organ magnetic resonance imaging scoreで膝OAの構造変化を評価した.内側半月板のT2値と骨棘幅はT2 mapping MRI(T2 map)で計測した.さらに,末期膝OAに対する手術時に切除した骨棘を組織学的に評価し,X線像およびMRIと比較・検討した.
結 果:膝内側の骨棘は,X線像で40%,MRIで48%に認めたが,T2 mapでは98%に認めた.MMEと各膝OA所見との関連を重回帰分析すると,脛骨内側の骨棘幅がもっともMMEと関連した(β=0.711,p<0.001).MMEが3mmを超えると,内側半月板のT2値が高値であった(r=0.58,p=0.003).さらに,末期膝OA例の骨棘には軟骨成分が存在し,T2 mapと組織切片で測定した骨棘幅が相関した.
結 論:初期膝OAでは平均約3mmのMMEが存在し,T2 mapを用いるとほぼ全例に脛骨内側に骨棘を認め,その幅はMMEと密接に関連した.さらにMME増大とともに半月板の変性度も増した.
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