Japanese
English
論述
L5-S1椎体骨棘による第5腰神経障害―解剖学的および臨床的検討
Entrapment of the Fifth Lumbar Spinal Nerve by Osteophytes of L5-S1 : Anatomical and Clinical Study
松本 守雄
1
,
野尻 賢哉
1
,
石川 雅之
1
,
西澤 隆
1
,
中村 雅也
1
,
丸岩 博文
1
,
千葉 一裕
1
,
戸山 芳昭
1
,
市原 眞仁
2
,
西川 雄司
3
Morio Matsumoto
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
2日野市立総合病院整形外科
3東京電力病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
fifth lumbar spinal nerve
,
第5腰神経
,
osteophyte
,
骨棘
,
lumbosacral spine
,
腰仙椎
Keyword:
fifth lumbar spinal nerve
,
第5腰神経
,
osteophyte
,
骨棘
,
lumbosacral spine
,
腰仙椎
pp.257-262
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903494
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抄録:Lumbosacral ligament(LSL),仙骨翼およびその周囲組織で構成されるlumbosacral tunnel内における第5腰神経の絞扼について解剖学的および臨床的に検討した.解剖学的には29体の屍体を用いて,LSLの起始・停止,骨棘の有無,lumbosacral tunnel内での狭窄の有無について調査した.LSLの起始・停止は多彩であったが,仙骨翼からL5椎体あるいは椎体・横突起に付着するものが多かった.骨棘は7体(24%)に認められ,骨棘ありの群では86%,なしの群では4.5%で狭窄を認め,前者で有意に高頻度であった.臨床例ではL5-S1椎体骨棘による第5腰神経障害の4例(男2例,女2例,平均年齢57歳)に対し,3例には後方より仙骨翼の部分切除を,1例には前方より腹腔鏡視下に骨棘切除を行い,良好な除痛が得られた.以上より,L5-S1椎体骨棘により第5腰神経障害が起こり得ることが明らかとなった.L5領域の神経障害を呈するにもかかわらず,画像上明らかな脊柱管内病変を認めない症例では鑑別診断として本症を考慮する必要がある.
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