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Fibroblast growth factor 2(FGF-2)含有ゼラチンハイドロゲルを用いた腱板修復促進
Enhancement of rotator cuff tendon-bone healing with fibroblast growth factor 2 impregnated in gelatin hydrogel sheets in a rabbit model
徳永 琢也
1
T. Tokunaga
1
1熊本大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Life Sciences, Kumamoto University, Kumamoto
キーワード:
rotator cuff tendon-bone healing
,
gelatin hydrogel sheet
,
FGF-2
Keyword:
rotator cuff tendon-bone healing
,
gelatin hydrogel sheet
,
FGF-2
pp.873-876
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_873
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【要 旨】
目 的:Fibroblast growth factor 2(FGF-2)は腱板修復を促進する可能性が示されているが,腱骨間への局所投与法に関する報告は少ない.本研究の目的は上腕骨大結節に作製した骨溝へのFGF-2含有ゼラチンハイドロゲルシート(GHS)投与の腱板修復促進効果についてウサギモデルを用いて検証することである.
対象および方法:成熟日本白色家兎の左肩棘上筋腱を切離後に大結節付着部骨溝に縫合するモデルを作製し,縫合のみ群(S群),PBS含有GHS投与群(C群),3μgおよび30μgのFGF-2含有GHS投与群(F3群,F30群)の4群を比較・検討した.術後2週,6週,12週に力学試験,組織学的評価,およびマイクロCT評価を行いFGF-2含有GHSの効果を検証した.
結 果:力学試験では術後12週のF3群とF30群における最大破断力と最大破断応力がS群,C群と比較して有意に高値であった.組織学的評価においては,S群とC群では腱骨間に血管が豊富な疎性線維性組織がみられたのに対して,F3群とF30群では腱様組織の形成がみられた.これらの修復促進効果は術後6週よりみられ,全評価項目においてFGF-2投与群間に有意差はなかった.またマイクロCT評価では全群において約70%に修復組織中の異所性石灰化がみられたがFGF-2の影響はなかった.
結 論:FGF-2含有GHSの上腕骨付着部骨溝内への投与は生体力学的および組織学的に腱板修復を促進する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018