Japanese
English
連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
骨・軟部腫瘍
Musculoskeletal tumor
坂本 昭夫
1
A. Sakamoto
1
1京都大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto
キーワード:
synovial sarcoma
,
soft tissue sarcoma
,
diagnosis
,
treatment
Keyword:
synovial sarcoma
,
soft tissue sarcoma
,
diagnosis
,
treatment
pp.856-861
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_856
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症 例.44歳,女.
主 訴:左肘部腫瘤.
家族歴・既往歴:特記すべきことはない.
現病歴:1~2年前より,左肘部腫瘤を自覚し,徐々に増大してきた.
初診時所見:左肘部伸側に7cm大の腫瘤を認めた.
画像所見:単純X線像で,肘伸展側に楕円形の腫瘤陰影を認め,内部に石灰化を認めた(図1a).MRIで上腕三頭筋遠位の筋膜上に腫瘍を認めた.上腕三頭筋側の腫瘍実質は,T1強調画像で筋肉より軽度高信号,T2強像画像で筋肉よりも高信号を呈した.内部は,T1強調画像,T2強調画像ともに高信号領域がみられ,その高信号は脂肪抑制T2強調画像でも低下せず,嚢胞形成と出血を示唆した(図1b).
病理組織学所見(針生検):紡錘形細胞の増殖を認め,束状に配列していた.腺管様の上皮性腫瘍成分を認めた(図1c).サイトケラチン(上皮性マーカー)の発現を免疫染色で認めた(図1d).
© Nankodo Co., Ltd., 2018