Japanese
English
シンポジウム 骨悪性線維性組織球腫
骨悪性線維性組織球腫の診断と治療
Diagnosis and Treatment on the Malignant Fibrous Histiocytoma of Bone
鳥山 貞宜
1
,
大幸 俊三
1
,
高田 典彦
2
,
富田 勝郎
3
,
井上 治
4
Sadayoshi Toriyama
1
1日本大学医学部整形外科学教室
2千葉県がんセンター整形外科
3金沢大学整形外科
4琉球大学整形外科
1The Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University School of Medicine
キーワード:
malignant fibrous histiocytoma of bone
,
diagnosis
,
treatment
,
chemotherapy
Keyword:
malignant fibrous histiocytoma of bone
,
diagnosis
,
treatment
,
chemotherapy
pp.295-303
発行日 1987年3月25日
Published Date 1987/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907573
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抄録:骨悪性線維性組織球腫(以下骨MFHと略す)の診断は困難で,X線学的には非骨化性線維腫,骨巨細胞腫などとの鑑別,また,病理学的には骨髄炎,骨巨細胞腫などの良性疾患と誤診され,病巣掻爬と骨移植といった単純な手術が行われ易い.今回,われわれは4施設から骨MFHの23例を集め,診断と治療について検討した.症例の年齢は14歳から78歳(平均46歳),性別は男性13例,女性10例であった.発生部位は四肢長幹状骨が17例,他は脊椎,骨盤,顎骨などで,また,多発例が1例あった.X線像は大部分が骨透明巣となり,骨硬化を伴ったものは3例で,病的骨折は5例に認められた.骨MFHと診断されるまではさまざまで,最初から骨MFHと診断されたものは8例に過ぎない.治療は掻爬と骨移植,切除と人工関節などが主で,切断,離断は3例のみである.予後は9例が3ヵ月から3年7ヵ月で死亡しており,累積生存率は5年で35%であった.
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