Japanese
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連載 卒後研修講座
膝周囲骨切り術による変形性膝関節症の治療
Around the knee osteotomy for osteoarthritis of the knee
竹内 良平
1
R. Takeuchi
1
1横須賀市立市民病院関節外科
1Dept. of Joint Surgery Center Yokosuka City Hospital, Yokosuka
キーワード:
osteoarthritis of the knee
,
around the knee osteotomy
,
high tibial osteotomy
Keyword:
osteoarthritis of the knee
,
around the knee osteotomy
,
high tibial osteotomy
pp.851-855
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_851
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は じ め に
戦後の混乱期を乗り越え高度成長期を経て,さらに世界に類をみない高齢化社会への突入など日本人の生活様式にも変化が生じ,高齢者でもまだまだ長く健康寿命を維持しなければならないという自覚が芽生えてきた.その結果,高齢者のスポーツ熱も高まり,自分の膝を残すことを希望する人が増えてきた.これまでは変形性膝関節症(膝OA)に対しては人工膝関節全置換術(TKA)だけができれば許されてきた膝関節外科医が,最近注目されるようになってきた膝OAに対する外科的治療法の一つである,膝周囲骨切り術(around the knee osteotomy:AKO)を習得しなければならない時代となってきた.TKAとAKOのどちらの手術も目標は膝の疼痛の除去と日常生活動作(ADL)の改善であるが,膝関節を取り去るか,温存するかでは大きな違いがある.本邦においてはこれまで,高位脛骨骨切り術(high tibial osteotomy:HTO)の長期成績が比較的よいことが報告されてきた1~3).しかし近年,脛骨近位だけを切って治療していた時代は終わり,さらに正常に近い膝関節の獲得を目指してAKOという新しい治療概念の時代が幕を開けた.本稿では膝関節外科医であれば知っておかなければならないAKOについて簡単に解説する.
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