Japanese
English
シンポジウム 外傷に伴う呼吸器合併症の予防と治療
大腿骨近位部骨折における肺血栓塞栓症の危険因子とその予防
The Risk Factor of the Pulmonary Thromboembolism and Prevention in Hip Fracture
阿部 靖之
1
,
岡嶋 啓一郎
1
,
中野 哲雄
2
Yasuyuki Abe
1
1熊本中央病院整形外科
2公立玉名中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kumamoto Chuo Hospital
キーワード:
pulmonary thromboembolism
,
PTE
,
肺血栓塞栓症
,
proximal femoral fracture
,
大腿骨近位部骨折
,
D-dimer
,
Dダイマー
Keyword:
pulmonary thromboembolism
,
PTE
,
肺血栓塞栓症
,
proximal femoral fracture
,
大腿骨近位部骨折
,
D-dimer
,
Dダイマー
pp.619-625
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100703
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抄録:大腿骨近位部骨折は肺血栓塞栓症(PTE),深部静脈血栓症(DVT)のリスクが非常に高い.499症例の検討では,症候性PTEは12例,2.4%発症しており,4例が死亡していた.統計学的検討では片麻痺,心疾患,人工骨頭置換術がPTEのハイリスクであった.下肢静脈造影検査でDVTが認められなかった21症例の平均D-dimer 11.4μg/ml,DVT,PTE症例9例の平均D-dimer 41.4μg/mlで,統計学的にも有意差があり,スクリーニングとして,D-dimerが有用と思われた.D-dimerが高値の場合,肺動脈造影CT,下肢静脈造影CTを撮影し,早期診断を行っている.ほぼ全例に対して,弾性ストッキングなどの機械的予防法を行いながら,さらにハイリスクな症例には,抗凝固療法を組み合わせている.また,軽症のPTEの早期発見のために,低酸素血症のモニタリングも必要である.
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