私論
「整形外科外来診療」雑感
石突 正文
1
1石岡市医師会病院院長
pp.330-330
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_330
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私も古稀を迎え,ちょっとした外来手術をこなすもののそのほとんどが外来診療なので,整形外科の外来診療について日頃感じていることを述べてみたい.
整形外科がカバーする領域は首から足先までの運動器であり,骨・関節・筋肉・靱帯・腱・神経などで,対象年齢も小児から高齢者まで実に広範囲である.したがって,脊椎外科・スポーツやリウマチを含めた関節外科(膝・肩・肘・足)・手外科・小児整形・骨軟部腫瘍など多くのサブスペシャリティがあり,それぞれの学会が活発に活動し,それぞれの分野を掘り下げている.大学付属病院や大病院の専門外来と違って,中小病院や医院の一般整形外科外来では幅広い整形外科領域全般の知識が求められる.最近ではネットによる情報収集が容易となっているため,自分の症状に対してかなりの知識を備えて受診する患者さんも多く,日頃から学術雑誌を読んだり,学会や研究会での教育講演で臨床経験豊富な演者の診療のコツやピットフォールを学んでおかなければ十分に太刀打ちできない.また,「失敗に学ぶ」と昔から言われているように,失敗の原因を究明して繰り返さないことはスキルアップのみならず,心ならずもうまくいかなかった患者さんに報いることにもなり,「私,絶対失敗しないので」などと格好つけている場合ではないのである.
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