膝内側半月板後角断裂に伴う髄内信号変化の検討

Bone marrow signal change of the knee associated with posterior root tear of the medial meniscus

は じ め に

　MRIで認められる骨髄内の信号変化（bone marrow signal change：BMC）は，さまざまな疾患の前段階を示唆しており，強い疼痛を伴う症例もみられるため臨床上重要な所見である^1）．また近年，膝内側半月板（medial meniscus：MM）の後角断裂は，hoop機構が破綻することで内側コンパートメント圧が上昇し^2），変形性膝関節症（osteoarthritis：OA）の進行や骨壊死（osteonecrosis：ON）を発生させることが報告されている^3,4）．

　後角断裂にBMCを合併している症例を多く経験するが，内側コンパートメント内圧が上昇した結果，急性期には軟骨損傷，微小骨折，ONが生じたり，慢性期にはOAが進行する可能性が考えられる．今回，後角断裂に伴うBMCの随伴病変と，その出現部位とを調査した．