Japanese
English
連載 最新原著レビュー
頚椎後方固定術は後縦靱帯骨化症の進展を抑制する
-――三次元画像解析を用いた椎弓形成術と後方固定術との比較
Posterior instrumented fusion suppresses the progression of ossification of the posterior longitudinal ligament;a comparison of laminoplasty with and without instrumented fusion by three-dimensional analysis
勝見 敬一
1
K. Katsumi
1
1新潟大学大学院整形外科
1Division of Orthop. Surg., Department of Regenerative and Transplant Medicine, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata
pp.288-291
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_288
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
【要 旨】
目 的:これまで脊椎固定術により後縦靱帯骨化症(OPLL)の骨化進展が抑制されるか否かは,明らかにされていなかった.われわれは,CTから骨化巣を三次元化し,正確に体積を計測できる画像解析法を新規に開発した.本研究の目的は,三次元画像解析を用い,脊椎固定術と椎弓形成術との骨化進展を比較することである.
対象および方法:対象は,後方除圧固定術を施行した19例(固定群)と,椎弓形成術を施行した22例(除圧群)とした.骨化巣体積は,1年以上の間隔をあけ三度計測し,骨化巣の年毎増加率を求め,二群間で比較した.
結 果:年毎増加率は,固定群2.0±1.7%/年,除圧群7.5±5.6%/年であり,固定群で有意に低値であった(p<0.001).特筆すべきことに,固定群では年毎増加率は経時的に減少していた(p<0.05).
結 論:本研究は,三次元画像解析法を用いることで,脊椎固定術が骨化進展を抑制する可能性を証明した,はじめての研究である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018