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ポータブルナビゲーションを用いた人工膝関節全置換術における大腿骨遠位骨切りの技術的注意および正確性向上のためのポイント
Technical considerations and accuracy improvement of accelerometer-based portable computer navigation for performing distal femoral resection in total knee arthroplasty
藤本 英作
1
E. Fujimoto
1
1中国労災病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Chugoku Rousai Hospital, Kure
キーワード:
knee
,
arthroplasty
,
accelerometer-based computer navigation
,
femoral component alignment
,
registration
,
alignment
Keyword:
knee
,
arthroplasty
,
accelerometer-based computer navigation
,
femoral component alignment
,
registration
,
alignment
pp.282-287
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_282
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【要 旨】
目 的:加速度計内蔵ポータブルナビゲーションを用いた人工膝関節全置換術(TKA)での骨切り角度の正確性は,脛骨側に比べ大腿骨側は劣ると報告されている.本研究の目的は,大腿骨レジストレーション(初期設定)時の大腿骨骨頭の動きを透視を用い測定すること,透視調査を行う前・後でのインプラント設置正確性について検討することである.
対象および方法:変形性股関節症(股OA)や股関節周囲の手術歴のない30例について,手術直前に股関節を内転・外転・屈曲し,骨頭の初期位置からの移動量を,透視を用いて計測した.透視調査開始前の前群48例(同量の内転・外転・屈曲操作),透視調査開始後の後群61例(小さな内転操作)の二群について,術後の設置角度の正確性について比較・検討した.
結 果:屈曲・外転に比べ,内転操作で有意に骨頭の移動量が増加していた.大腿骨側インプラント設置について,冠状面および矢状面とも,前群は有意に大きなばらつきを認め,また屈曲位に設置されていた.脛骨側インプラント設置については,ばらつきに有意差はなかったが,有意に外反に設置されていた.
結 論:ポータブルナビゲーションを用いた大腿骨側のレジストレーション操作時の注意点として,大きな内転操作を避け小さくすることにより,大腿骨インプラント設置がより正確になることを証明した.また,脛骨側では中間位に設置するように意図しても,この機種ではやや外反設置となることが判明した.
© Nankodo Co., Ltd., 2018