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Pure platelet-rich plasmaは滑膜炎とカルシトニン関連ペプチドの発現を抑制し膝関節痛にもっとも有効である
Intra-articular injection of pure platelet-rich plasma is the most effective for joint pain by modulating synovial inflammation and calcitonin gene-related peptide expression in a rat arthritis model
新谷 尚子
1
,
宮武 和正
1
N. Araya
1
,
K. Miyatake
1
1東京医科歯科大学大学院運動器外科学
1Dept. of Joint Surg. and Sports Medicine, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo
キーワード:
platelet-rich plasma
,
leukocyte
,
arthritis
Keyword:
platelet-rich plasma
,
leukocyte
,
arthritis
pp.1413-1417
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1413
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【要 旨】
目 的:多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)は,末梢血の遠心分離によって得られる血小板濃縮血漿で,変形性関節症(OA)への有用性が多数報告されている.PRP中の白血球濃度の違いによりpure-PRP,leukocyte-poor PRP,leukocyte-rich PRPに分類され,その効果の違いが注目されてきた.本研究では,ラット関節炎モデルを用いてOA治療に最適なPRP製剤を検討した.
対象および方法:モノヨード酢酸(MIA)の関節内投与により関節炎を誘発したWistar ratをランダムに3群(pure群,LP群,LR群)に分け,MIA投与翌日に片膝に各PRPを関節内投与した.疼痛行動解析として後肢荷重量測定,および組織評価を14日目まで行い,各PRPの効果を比較した.
結 果:疼痛行動解析ではpure群でPRP投与側の荷重割合がもっとも大きかった.滑膜炎およびカルシトニン関連ペプチド(CGRP)発現も同様にpure群で有意に抑制された.
結 論:pure-PRP関節内投与により滑膜炎およびCGRP発現が有意に抑制され,関節痛にもっとも有効であった.
© Nankodo Co., Ltd., 2021