Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅱ.手術シミュレーション,手術教育
人工膝関節全置換術におけるvirtual surgeryによる手術手技の検討
Evaluation of surgical techniques using virtual surgery in total knee arthroplasty
水内 秀城
1
,
牛尾 哲郎
1
,
馬 源
1
,
中島 康晴
1
H. Mizu-uchi
1
,
T. Ushio
1
,
Y. Ma
1
,
Y. Nakashima
1
1九州大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kyushu University, Fukuoka
キーワード:
TKA
,
virtual surgery
,
computer simulation
,
3D evaluation
Keyword:
TKA
,
virtual surgery
,
computer simulation
,
3D evaluation
pp.134-139
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_134
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は じ め に
人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)は,デザイン,材質などの向上により,10~15年間の術後成績が90%以上という成績の安定した術式の一つとなったが1),手術手技に関してはいまだ解決すべき問題が多い.実際の術中では良好なアライメントと適切な靱帯バランスを獲得する過程で悩む状況が多く,それ故にTKAは小さな落とし穴がたくさん存在する手術である.手術手技を検討するにあたって,X線やスコアを用いる方法は術前状態・合併症のため,手術手技単独の評価は困難であり,術者が仮説を立て前向きに実際症例の検討を行うことも倫理的な問題などのため現実的でないことが多い.Virtual surgeryは,その名のとおり三次元骨モデルを用いてコンピュータ上で手術シミュレーションを行うものである.任意の骨切りやインプラント設置はもちろんのこと,どの視点からも三次元的に状況を確認できるため,個々の症例にあった純粋な手術手技の検討が可能である.当科ではvirtual surgeryを用いて,目標とする骨切り,インプラント設置の実施についてさまざまな検討を行い2~5),得られた結果を実際の臨床に応用してきた6,7).本稿では,特に正確な設置が困難とされる脛骨コンポーネントの回旋設置について2つの研究を紹介する.
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