書評
『橈骨遠位端骨折診療ガイドライン2017(改訂第2版)』
岩崎 倫政
1
1北海道大学整形外科
pp.1316-1316
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei68_1316
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- 文献概要
橈骨遠位端骨折に対する診療ガイドラインが5年ぶりに改訂された.改訂第2版の上梓に際し,膨大な作業の指揮をとられた日本手外科学会橈骨遠位端骨折診療ガイドライン策定委員会担当理事・渡邉健太郎先生,砂川融先生,委員長の安部幸雄先生ならびに委員の先生方,構造化抄録作成に協力された日本手外科学会の会員の先生方に心よりの感謝を申し上げたい.
金谷文則先生(担当理事),故澤泉卓哉先生(委員長)が中心となり作成された初版の『橈骨遠位端骨折診療ガイドライン2012』は,日常診療できわめて遭遇する機会の多い橈骨遠位端骨折の治療成績向上に大きく貢献した.一方で,近年の橈骨遠位端骨折に対する診断技術の進歩,関節鏡視手術手技の開発,内固定材料の改良などは,われわれの想像をはるかに超えるものである.さらに,骨粗鬆症に対する強力な治療薬の誕生や高齢化社会における健康寿命延伸の必要性など,橈骨遠位端骨折の治療に大きな影響を与える要因も出現してきた.このため,エビデンスレベルの高い文献を基盤とした,本骨折に対する新たなガイドラインの作成が必要になったと推察される.
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