Japanese
English
シンポジウム 橈骨遠位端骨折の保存的治療のこつと限界
高齢者の骨粗鬆症と橈骨遠位端骨折
Correlatlon between the Distal Radial Fracture and Osteoporosis in Elderly Patients
進藤 隆康
1
,
徳永 純一
2
,
王寺 享弘
2
,
吉本 隆昌
2
,
小林 晶
2
,
松田 和浩
3
Takayasu Shintoh
1
1進藤整形外科クリニック
2福岡整形外科病院
3松田整形外科クリニック
1Shintoh Orthopaedic Clinic
キーワード:
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
distal radial fracture
,
橈骨遠位端骨折
,
malunion
,
変形癒合
Keyword:
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
distal radial fracture
,
橈骨遠位端骨折
,
malunion
,
変形癒合
pp.1061-1065
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903632
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要旨:今回腰椎X線より判定した骨粗鬆症の程度が,橈骨遠位端骨折の骨折型と治療成績に与える影響を調査検討した.骨粗鬆症の進行につれて関節外骨折が多く,尺骨茎状突起骨折の合併が減少する傾向を認めた,受傷時の手関節にかかる力と方向,橈骨遠位端における背側骨皮質と関節面の骨強度の差TFCCの変性断裂などの関与が考えられた.骨粗鬆症の進行は,術後に骨折再転位を来しやすい傾向が認められた.特に受傷時の転位が強い例はその傾向が有意に認められた.治療法別の再転位は,徒手整復群が一番強く,次に経皮的キルシュナー鋼線刺入固定群,観血治療群の順に認められた.骨移植併用例が一番転位が少なかった.高齢者の場合転位,再転位に対し正確で強固な整復固定をすることも必要であるが,患者の活動性,骨粗鬆症の程度に応じた治療を行い,術後の疼痛・腫脹の管理・拘縮予防に対する処置を怠らないことも重要である.
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