背側硬膜損傷部から脊髄円錐・馬尾神経の脱出を伴った腰椎破裂骨折の1例 -――症例からみる背側硬膜損傷の画像所見

Diagnosis and character of imaging of cauda equine entrapment in the dorsal dural injury of lumbar burst fracture；report of a case

　胸腰移行部に生じた破裂骨折に伴う神経麻痺に対する手術アプローチ方法の選択にあたっては，硬膜損傷の有無が大きく関与する．すなわち破裂骨折そのものの治療としては前方アプローチが最適であるが，背側硬膜損傷とそれに伴う神経組織の硬膜外腔への脱出を生じている場合，前方アプローチ単独では対応できない．L1破裂骨折に背側硬膜損傷と硬膜損傷部からの脊髄円錐・馬尾神経の硬膜外腔への脱出を伴った1例を経験した．本例の治療経験から，背側硬膜損傷を強く示唆する画像所見とその治療について論じる．