肺高血圧症における心エコー図検査

★★★肺高血圧症（PH）を疑ったときには，まず心エコー図検査で三尖弁逆流最大血流速度（TRV）を測定する．

★★2022年欧州心臓病学会（ESC）/欧州呼吸器学会（ERS）ガイドラインに基づき，心エコー図検査で心室，肺動脈，下大静脈（IVC）・右房をみて，PHを示唆する所見があるかどうかを判別する．

★★右室機能は，容量負荷，圧負荷，右室収縮能により影響を受ける．シャントの有無，三尖弁閉鎖不全症の重症度，右室収縮能が保たれているかどうかをみる．三尖弁輪収縮期移動距離（TAPSE），三尖弁輪収縮期運動速度（s’），右室面積変化率（RVFAC）を測定し総合的に判断する．

★★右室-肺動脈カップリング（TAPSE/sPAP）は，PHの診断，予後予測に有用な指標である．

★★PHを診断する場合には，心エコー図検査で右室流出路をみて，右室流出路狭窄の有無をみる必要がある．

　

★★★：一般内科診療で必要な内容，★★：総合内科専門医試験レベルの内容，★：専門性の高い内容