特集 ここまでできる! プライマリケア―領域別で考えるプライマリケア医と専門医の役割
第4章:リウマチ・膠原病
[息切れ,咳嗽,浮腫,しびれ,筋力低下,関節痛]Sjögren症候群
坪井 洋人
1
,
松本 功
1
1筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科学
pp.725-729
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_725
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プライマリケアでここまでできる!
・Sjögren症候群(SS)の診断の契機は,多彩なパターンが想定されるが,肺病変,腎病変,神経病変などの腺外病変の存在が診断の契機となる場合には,プライマリケア医が初療を担当するケースも多い.
・肺病変,腎病変,神経病変を認め,さらに ① ドライアイ,ドライマウスの自覚,② 肺囊胞,③ 低カリウム,高クロール血症などの特徴的所見を伴っていた場合には,その背景疾患としてSSの可能性も想起する.
・スクリーニング検査として抗SS-A抗体が陽性であれば,膠原病リウマチ専門医にSSの診断と治療に関してコンサルテーションを検討する.
ここからは専門医に任せよう!
・SS初発時の診断確定と,臓器障害,合併する他の膠原病の評価を踏まえた治療方針の決定は専門医に任せることが望ましい.
・プライマリケア医による維持療法中に,活動性の高い重要臓器障害,治療を必要とする他の膠原病の合併,挙児希望,重症の腺病変,悪性リンパ腫の合併がみられた場合には,再度専門医への紹介を検討する.

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