書評
医療–福祉–介護をつなぐ 心不全療養支援ポケットガイド
大西 勝也
1
1大西内科ハートクリニック 院長
pp.69-69
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_69
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- 文献概要
心不全患者の増加が著しく,心不全パンデミックとよばれる時代が到来しつつある.とくに,高齢者の心不全発症率が高く,社会的な問題となっている.高齢心不全患者の増加によって,循環器専門医だけでの対応が困難となりつつあり,非循環器専門医にも心不全管理を行うことが求められるようになってきている.高齢心不全患者の管理においては,生命予後の改善だけでなく,QOLの改善や医療コストの削減も考慮する必要がある.欧米では,高齢心不全患者が増加してすでに社会的な問題となっており,医療経済的な治療の有効性を示す論文が増えている.最近の心不全治療薬は単価が高いものの,使用することにより数年単位で医療コストが下がる傾向にある.なぜなら,薬価よりも入院費用が医療コストを押し上げるからである.入院を回避するためには,標準治療の徹底,心不全併存症の管理,患者教育が重要である.
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