連載 イメージで捉える呼吸器疾患
第21回 肺膿瘍「熱で動けません」
皿谷 健
1
1杏林大学呼吸器内科
pp.961-966
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_961
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典型的な診療イメージ
Check! こんな患者さんがやってきました
・パッと見たところ,急性の経過でぐったりした78歳女性.抗菌薬が部分的に効いているが不十分な印象.
・一人暮らしであり,普段は炊事,洗濯を行い自立した生活を送っているが,脳幹出血の既往があり,ときどき食事の際にむせが生じた.
・2週間前から食欲低下,38~39℃の発熱,強い倦怠感が出現した.1週間前に近医を受診し,SARS-CoV2抗原キット陰性,インフルエンザ抗原キット陰性であったが,発熱に対して抗菌薬を処方された(levofloxacin 500mg/日を3日間).一過性に微熱まで改善したが,数日後には高熱が再燃し,昨日からふらつきのため動けなくなり救急車で受診.
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