連載 Focus On
「ダニに刺されたかも」といわれたらどうしたらよいですか?
夏秋 優
1
1兵庫医科大学皮膚科学
キーワード:
虫刺性皮膚炎
,
イエダニ
,
アカイエカ
,
ネコノミ
,
トコジラミ
Keyword:
虫刺性皮膚炎
,
イエダニ
,
アカイエカ
,
ネコノミ
,
トコジラミ
pp.967-971
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_967
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室内環境で生じる機会の多い虫刺性皮膚炎の主な原因として,イエダニ,アカイエカ,ネコノミ,トコジラミなどがあげられる.虫刺性皮膚炎の臨床像はいずれも瘙痒を伴う紅斑や紅色丘疹が孤立性に散在するのが特徴で,夏場を中心として春~秋に認められる.診断を確定するには原因虫の捕獲・確認が必要であるが,虫体を持参する患者は少なく,「ダニが原因」と自己判断して受診する例が多い.一般に,イエダニ刺症は主に被覆部,アカイエカ刺症は主に顔面,ネコノミ刺症は主に下腿,トコジラミ刺症は顔面・頸部・上肢などに皮疹が認められることが多いため,皮疹分布や病歴から原因虫を推定する.治療の基本はステロイド外用薬であるが,再発を繰り返す場合は原因虫の駆除が必要である.
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