特集 炎症性腸疾患update
[Chapter 2] IBD治療のupdate
UC関連腫瘍性病変の内視鏡切除
糸井 祐貴
1
,
橋本 悠
1
,
浦岡 俊夫
1
1群馬大学大学院医学系研究科 消化器・肝臓内科学
キーワード:
潰瘍性大腸炎関連腫瘍(UCAN)
,
色素散布
,
画像強調観察
,
内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)
Keyword:
潰瘍性大腸炎関連腫瘍(UCAN)
,
色素散布
,
画像強調観察
,
内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)
pp.1050-1054
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_1050
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★★潰瘍性大腸炎(UC)の罹病期間が長くなるほどUC関連がんの発症リスクが上がるため,定期的なサーベイランスおよび注意深い内視鏡観察が必要である.内視鏡観察には白色光のみならず,色素散布や画像強調観察を併用してより早期のdysplasiaの段階で発見することが求められる.
★内視鏡切除の適応は,病変の境界が明瞭かつ周囲の粘膜からdysplasiaが検出されない一括切除可能なlow grade dysplasiaである.内視鏡や生検による組織診断でdysplasiaの散発性病変との鑑別や異型度診断が確定できない病変には,診断的治療目的の内視鏡切除が選択肢となる.単発で切除検体がlow grade dysplasiaと診断された場合は,大腸温存のもとサーベイランスを継続することも許容される.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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