グラフ 高速CTによるイメージング・3
膵の腫瘍性病変
森山 紀之
1
,
林 孝行
1
,
岩田 良子
1
,
村上 康二
1
,
佐竹 光夫
1
,
関口 隆三
1
,
縄野 繁
1
1国立がんセンター東病院放射線部
pp.615-619
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905030
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膵の腫瘍性病変のうち,臨床上最も問題となるのは膵癌である.膵癌の予後は他の癌と比較すると明らかに悪く,この原因としては,症状が出現した場合には既に腫瘍が膵外にまで浸潤していること,肝細胞癌におけるB型・C型肝炎感染の既往歴や抗体価の上昇,大腸癌における便潜血検査陽性などのような高危険群の設定が困難なこと,胃癌や肺癌などのように集団検診を行うほどの発生数がないこと,などが考えられる.
このような予後の悪い膵癌の予後を少しでも良くするためには,膵癌の早期発見が急務であると考えられる.このためには,膵のCT診断を行う場合にも,従来行われていた10mm間隔でのCT撮影では不十分である.
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