特集 患者さんからよく尋ねられる内科診療のQuestion
第6章 感染症
[32歳女性,梅毒]梅毒の治療をしたのに梅毒検査が陰性にならないのですが,注射をしたほうがよいでしょうか?
平井 由児
1
1東京医科大学八王子医療センター 感染症科
pp.820-822
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_820
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お答えします
梅毒の「治った」は,定量rapid plasma reagin(RPR)検査が診断時の1/2以下になることで,陰性化ではありません.今回は治癒の基準を満たしませんが,経過観察期間内かつ,(再感染を疑う)診断時の2倍以上のRPR上昇がないことから,現段階で注射薬も含めて治療の追加は不要です.今後の定期検査(早期梅毒では治療から6,12ヵ月後)でRPRの低下を確認しましょう.RPRが基準を満たさない状況は,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの合併症の存在や再感染も考えられます.今後も心配な出来事(性交渉,梅毒再感染の可能性)があれば,いつでも私たちに相談してください.
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