特集 在宅医療は何のために存在するのか―これからの在宅医療を見据えて
[Chapter 4] フェイズごとのポイントと在宅医療に求められる役割
よりよい在宅看取りのために医療者が心得ること
髙添 明日香
1
1医療法人桜花会 あすか在宅クリニック
キーワード:
在宅看取り
,
終末期
,
ケアマネジャー
Keyword:
在宅看取り
,
終末期
,
ケアマネジャー
pp.443-448
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_443
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▪自宅や施設など,患者が住み慣れた居住地で終末期を過ごし,やがて看取られることを「在宅看取り」と定義する.
▪治療による回復が見込めなくなったとき,医師は,終末期と判断する.
▪終末期においては,予測される死を受容していき,変化を続ける身体機能に合わせて安楽に療養できるよう,治癒のための治療は減らしていき,QOLを向上させるためのケアを増やしていく.
▪死の受容は個々人によって異なるものであるから,医療者は,身体機能の保持に固執せず,患者の価値観や生きがいを尊重し,最後まで生きがいをもって暮らせるように配慮する.
▪ケアマネジャーや訪問看護と協働し,生活支援を含めた全人的な支援を展開する.
▪「在宅看取り」を最も近い場所で支援する主介護者の負担は,心理的にも身体的にも大変大きいため,主介護者への配慮やねぎらいを忘れない.
▪疾病ごとに終末期の経過と長さは異なるが,Lunnneyらの「病の軌跡」を参考にすると,支援者皆で経過を共有し,終末期の療養体制について話し合う材料にできる.
▪最後の死亡診断の場は,「在宅看取り」の集大成の場であるため,患者と主介護者に対して誠意をもって対応し,間違いがないように死亡診断書を作成する.
© Nankodo Co., Ltd., 2024