特集 内科医に知ってもらいたい シン・腎臓診療
[Chapter 4] 腎臓内科での使い方から学ぶ! 最近よく見るあの薬
慢性腎臓病におけるSGLT2阻害薬の活用
長洲 一
1
,
城所 研吾
1
1川崎医科大学 腎臓・高血圧内科学
キーワード:
慢性腎臓病(CKD)
,
SGLT2阻害薬
,
包括的慢性腎臓病データベース(J-CKD-DB)
,
高カリウム血症
Keyword:
慢性腎臓病(CKD)
,
SGLT2阻害薬
,
包括的慢性腎臓病データベース(J-CKD-DB)
,
高カリウム血症
pp.86-90
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_86
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★★SGLT2阻害薬は慢性腎臓病(CKD)という広範な患者群を対象に初めてランダム化比較試験(RCT)で有効性が示された薬剤である.また現在,蛋白尿陰性患者に有効性が示されている唯一の薬剤といえる.
★★CKDの治療薬であるレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬やミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)と相性がよく,多剤併用治療の基盤治療薬といえる.とくに高カリウム血症の発症抑制効果は少なくない.保険診療上,MRAとカリウム吸着薬の併用は不可のため積極的にSGLT2阻害薬を使用する意義は高い.
★★SGLT2阻害薬は尿路感染を重症化するリスク因子である.また投与初期は体液変化が強く出ることもあるので2~4週後に経過をみることを勧める.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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