特集 保存期慢性腎臓病と透析期のステージに応じた診療のポイント
[Chapter 3] 保存期CKD患者・透析患者への薬剤の使い方
血圧管理と腎保護
-レニン-アンジオテンシン系阻害薬とミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の使い方
柴田 茂
1
1帝京大学 医学部内科学講座腎臓内科
キーワード:
アンジオテンシン
,
アルドステロン
,
ミネラルコルチコイド受容体(MR)
,
非ステロイド型MR拮抗薬
Keyword:
アンジオテンシン
,
アルドステロン
,
ミネラルコルチコイド受容体(MR)
,
非ステロイド型MR拮抗薬
pp.50-54
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_50
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▪保存期CKDにおいて,糖尿病,あるいは蛋白尿・微量アルブミン尿を有する場合の降圧目標は130/80mmHg(家庭血圧では125/75mmHg)である.それ以外の場合,他疾患の合併がなければ降圧目標は140/90mmHg(家庭血圧では135/85mmHg)となる.
▪血液透析患者では血圧と生命予後との間にU字関係があり,透析前の収縮期血圧が140~159mmHgの群で最も死亡率が低いことが報告されている.しかしながら降圧目標や血圧測定のタイミングなどについての明確なエビデンスはなく,透析が安全に施行できる血圧レベルを維持しつつ,患者ごとに個別に目標血圧値を設定するのが現実的である.
▪CKD患者においては,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)の腎保護効果が明らかにされ,またSGLT2阻害薬の臓器保護作用が確立されつつあるが,加えて新しい非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬であるfinerenoneの糖尿病合併CKDに対する有用性が示されている.
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