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第6章 代謝系に作用する薬剤
[骨・カルシウム代謝薬]
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM),ビタミンK2製剤
東 浩太郎
1
1東京大学大学院 医学系研究科加齢医学講座
pp.931-936
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_931
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・選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は,エストロゲン受容体に作用し,臓器・組織によって選択的にエストロゲン作用・抗エストロゲン作用を有する薬剤である.
・本邦ではSERMとしてraloxifene,bazedoxifeneが閉経後骨粗鬆症に対して使用可能である.
・SERMは骨吸収抑制薬に分類され,椎体骨折予防効果を有する.
・SERMは乳がんの予防効果も示されているが,使用においては静脈血栓塞栓症に注意する必要がある.
・ビタミンKは,血液凝固に必要な脂溶性ビタミンであり,自然界には緑黄色野菜に含まれるビタミンK1と,微生物が合成し納豆に多く含まれるビタミンK2が存在する.
・複数の臨床試験の結果からビタミンK2には椎体骨折のリスクを低下させる効果が強く示唆される.
・ビタミンK2は,warfarin potassium内服中の患者には禁忌である.
・疫学研究よりビタミンK摂取不足と複数の加齢性疾患との関連が推測される.
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