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第4章 循環器系に作用する薬剤
[抗不整脈薬]
クラスⅢ群
大島 司
1
,
清水 悠
1
1東京大学医学部附属病院 循環器内科
pp.724-728
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_724
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・主にKチャネルを遮断することで,活動電位の持続時間を延長し,抗不整脈作用を発揮するのがクラスⅢ群である.
・内服薬ではamiodarone,sotalol,点滴薬ではamiodarone,nifekalantが本邦では使用可能である.
・致死性不整脈に対する効果が報告されている一方で,致命的な副作用を引き起こすこともあり,投与の際は慎重に判断する必要がある.
・適応疾患は主に心室頻拍,心室細動などの致死性不整脈であり,植込み型除細動器(ICD)の適応を検討,考慮しなくてはならない.ICDが適応の場合は,突然死予防という観点からは薬物療法はICDに効果が劣るため,クラスⅢ群の投薬でICDが避けられるわけではない.
・心不全や肥大型心筋症の心房細動に対してはクラスⅠ群が使用しづらいため,amiodaroneが選択されることはあるが,まずは十分な心不全治療薬導入が望ましく,カテーテルアブレーションによる洞調律維持を試みる機会も増えてきた.
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