臨床医からの質問に答える
細胞診の“クラスⅢ”というのはどういう意味ですか?
藤岡 学
1
1医療法人徳洲会札幌徳洲会病院臨床検査科
pp.62-66
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207460
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細胞診断報告様式
細胞診の報告様式としてわが国で最もよく知られているのがパパニコロウ(Papanicolaou)分類である.これは子宮頸部細胞診の実現に大きな功績を挙げた米国の病理学者ジョージ・ニコラス・パパニコロウ(1883〜1962年)が子宮頸部癌の観察のために使用した分類法で,判断の表現を表1のとおりⅠ〜Ⅴに区分をし,日本では子宮頸部以外の各臓器領域の細胞診においても広く用いられてきた.氏は今日でも標準の染色法として用いられているパパニコロウ染色を開発したことでも知られる.
しかし,パパニコロウ分類は,あくまでも判断の表現であって,細胞所見や形態学的な定義ではないことから,国際的にはすでに用いられなくなっている.日本でも子宮頸部細胞診のベセスダシステム(国際基準)をもとにした新報告様式,日本臨床細胞学会の細胞診ガイドライン,その他いくつかの癌取扱い規約において,クラス分類ではない判定区分を推奨している.
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