特集 プライマリケア医に必要な情報をまるっと整理 くすりの使い方便利帳
第4章 循環器系に作用する薬剤
[抗不整脈薬]
Ca拮抗薬(クラスⅣ群)
花木 裕一
1
1筑波大学 医学医療系循環器内科
pp.729-735
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_729
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
・verapamilは非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬であり,降圧作用は弱く,洞結節・房室伝導抑制作用が強い.
・適応は発作性上室頻拍と心機能が保持された頻脈性心房細動で,一部の心室性不整脈(左室起源特発性心室頻拍)の停止効果を有する.
・頻脈性心房細動の心拍コントロールに使用する場合には,心不全を呈していないか,心機能が低下していないかを確認する必要がある.
・diltiazemは非ジヒドロピリジン系である.
・適応は本態性高血圧症であるが,静注薬については頻脈性上室性不整脈にも適応を有する.
・verapamil同様,心機能低下症例には使用を控える必要がある.
・bepridilは持続性心房細動に対する停止効果を期待して使用されるマルチチャネルブロッカーである.
・心収縮能への影響は比較的少ないとみられ,強力な洞調律復帰効果を期待できるが,QT延長などの副作用には注意を要する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023