特集 “思春期内科”―大人でも子どもでもない患者を診る
[Chapter 1] 思春期の患者を誰が診るのか?
小児内科医からみた思春期診療
早川 格
1
1国立成育医療研究センター 神経内科
キーワード:
Scammonの発達曲線
,
診察室の構造
,
医者・患者・保護者の三角関係
,
メタ認知
Keyword:
Scammonの発達曲線
,
診察室の構造
,
医者・患者・保護者の三角関係
,
メタ認知
pp.336-341
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_336
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▪小児科医(小児内科医)の多くは乳幼児診療が主戦場であり思春期診療が苦手である.
▪その理由は,① 思春期に好発する疾患は「臓器が正しく成長できない病気」ではなく「でき上がった臓器が外因によって不具合を生じる病気」であること,② 乳幼児と比較して,一見元気そうであるが重大な病気が隠れている事前確率が上がること,③ 患者と保護者が一心同体でなくそれぞれ別々の主体として存在すること,④ 愁訴から主訴を切り出すために患者と保護者の知能を推測しなければならないこと,にある.
▪小児科医が思春期診療を得意になるには,成人内科の知識のアップデートと,診察室の構造のメタ認知が重要である.
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