特集 コロナ禍で見えた感染症検査の原点回帰―各種検査の特徴とその解釈
[Chapter 5] 感染性疾患はこう診る! 検査の活用法とその解釈
抗酸菌感染症の検査
鎌田 啓佑
1
1公益財団法人結核予防会結核研究所 臨床疫学部・抗酸菌部
キーワード:
抗酸菌塗抹鏡検
,
培養検査
,
薬剤感受性試験
Keyword:
抗酸菌塗抹鏡検
,
培養検査
,
薬剤感受性試験
pp.1336-1340
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1336
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▪抗酸菌というカテゴリは幅広く,抗酸菌のなかで何を疑うのかによっても最適な検査方法は変化する.
▪抗酸菌塗抹鏡検はZiehl-Neelsen染色と蛍光染色があり,蛍光染色のほうが一般的に感度が高いとされるが蛍光染色では迅速発育性抗酸菌は染色されにくい.
▪臨床検体の前処理によって抗酸菌数は減ってしまう.とくに迅速発育性抗酸菌はアルカリに弱いことに注意する.
▪液体培地は感度が高いがコストも高いため固形培地と併用するタイミングを考える.とくに肺外感染症で抗酸菌の関与が疑われる場合には30℃での培養も併用する.
▪rifampicin耐性結核は多剤耐性結核のつもりで取り扱い,安易にニューキノロン系薬を追加しない.
▪Mycobacterium avium/Mycobacterium intracellulare(MAI)感染症では,ethambutolやrifampicinの薬剤感受性結果をみて中止しない.
© Nankodo Co., Ltd., 2023