Japanese
English
第1土曜特集 脳・神経系の感染症――診断と治療の最前線
脳・神経系の感染症を知る,診る
神経感染症の臨床検査
Utility of laboratory data for the diagnosis of neuroinfection
鈴木 雄一
1
,
細矢 光亮
1
Yuichi SUZUKI
1
,
Mitsuaki HOSOYA
1
1福島県立医科大学小児科学講座
キーワード:
迅速検査
,
髄液グラム染色
,
培養検査
,
PCR検査
,
抗体検査
Keyword:
迅速検査
,
髄液グラム染色
,
培養検査
,
PCR検査
,
抗体検査
pp.10-15
発行日 2021年4月3日
Published Date 2021/4/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2770110
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
神経感染症の診療においては,初期の症状から病態を見立てて検査項目を選択し,診断のために必要な検体を最小限の侵襲により採取したのちに,病原診断の結果を待たずにエンピリックに治療を開始しなければならない.一方,検体を解析して病原体が確定し次第,より適切な治療に変更することが重要である.神経感染症の病原診断のためにあらかじめ採取しておくべき検体は,髄液,血清,尿,咽頭および直腸ぬぐい液などがある.病原体検査としては,迅速検査,髄液グラム染色,培養検査,PCR検査,抗体検査がある.ほかには,迅速性には乏しいが病原体の確定や病態の把握に有用な検査としては,ペア血清による抗体検査や抗神経抗体検査がある.神経感染症は正確な診断に基づく早期の治療開始が患者の転帰に大きく影響する疾患なので,臨床検査のみならず画像検査,生理検査,病理検査による所見を集約した総合評価により診断することが重要である.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.