Focus On
一般内科臨床医が病理検査について気をつけること
-とくに検体の取り扱いについて
砂川 恵伸
1
1沖縄協同病院病理診断科
キーワード:
ホルマリン固定後パラフィン包埋(FFPE)標本
,
プレアナリシス段階
,
病理部門の分子・遺伝子検査
Keyword:
ホルマリン固定後パラフィン包埋(FFPE)標本
,
プレアナリシス段階
,
病理部門の分子・遺伝子検査
pp.1211-1217
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1211
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病理検体の取り扱いは,ホルマリン固定が必要な検体か否かで大きく異なる.ホルマリン固定が必要な検体処理の工程をプレアナリシス(pre-analysis;検査前)段階とよび,検体の採取・摘出から固定までを主に臨床医(検体採取医)が担当する.とくに指定がない限りは速やかにホルマリン固定処理を行う.
ホルマリンは殺菌効果があり,一般細菌や真菌,結核菌を死滅させる利点があるが,一方で培養による病原体検出を不可能にする.感染症の病原体の検索は,ホルマリン固定前の新鮮な組織検体から無菌的に細菌・真菌・抗酸菌の検体採取を行う.新鮮検体の処理を行う際には,安全キャビネットを使用し,感染防止対策に努める.
© Nankodo Co., Ltd., 2023