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海外の医療事情もあり,在宅持続陽圧呼吸(continuous positive airway pressure:CPAP)機器のパラメータのクラウド化が行われており,本邦での実証研究がエビデンスの一つとなった1).2018年にCPAP療法の遠隔モニタリング加算が健康保険適用を受けたが,CPAP遠隔モニタリング加算には施設基準が付加され,実際の診療の場では混乱が生じ,さまざまな疑義解釈がなされ,その普及は遅れていた.令和2年度診療報酬改定において施設基準は大きく緩和されたが2),診療報酬費を含めた種々要因のためか,その普及は依然遅れている.
平成28,29年度に厚生労働科学研究補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)にて,「有効性と安全性を維持した在宅呼吸管理の対面診療間隔決定と機器使用のアドヒランスの向上を目指した遠隔モニタリングモデル構築を目指す検討」が行われたが3),同検討内において全国21施設において,リサーチクエスチョン「遠隔モニタリングシステムを利用することで,CPAP療法に関する外来対面診療間隔を延長しつつ,治療アドヒアランスを維持できるか」,作業仮説「遠隔モニタリングシステムを利用することで,CPAP療法に関する外来対面診療間隔を延長しながら,治療アドヒアランスを維持することができる」に関する実証研究が行われた.実証研究では毎月受診,3ヵ月間隔遠隔モニタリングなし,3ヵ月間隔遠隔モニタリングあり,という3群のランダム化比較試験が行われ,アドヒアランスの変化の比較において3ヵ月間隔遠隔モニタリングありは毎月受診に対して非劣勢が証明された1,3),これらの資料が一部参照され,情報通信機能を備えた機器を用いて患者情報の遠隔モニタリングを行うものの診療形態としてCPAP療法遠隔モニタリング加算が診療報酬として認められた.なお,本実証研究では,患者満足度も調査したが,患者サイドでは3ヵ月間隔受診が毎月受診に比較して,圧倒的に満足度が高かった1).
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