特集 喘嗚がある患者に出会ったら―病態をカテゴライズして診断する
[Chapter 5] アレルギー/膠原病と喘鳴
多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
田巻 弘道
1
1聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center
キーワード:
多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
,
声門下狭窄
,
気管支内病変
,
stridor
Keyword:
多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
,
声門下狭窄
,
気管支内病変
,
stridor
pp.1156-1160
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1156
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▪多発血管炎性肉芽腫症(GPA)は本邦ではまれな病気であるが,本邦のGPA患者では検出される抗好中球細胞質抗体(ANCA)のタイプとして,欧米と異なりPR3-ANCA陽性ではなくMPO-ANCA陽性の例も一定数いる.
▪明らかな肺実質病変がない場合の,咳嗽,呼吸苦,血痰などは気道病変を疑うきっかけとなる症状である.また,声の変化がある際にも声門周囲の病変を疑う.
▪GPAの気道病変は,さまざまなパターンでくることがあるが,診断のゴールドスタンダードは内視鏡による直視下での観察となる.
▪GPAの気道病変の治療に関しては,気道に活動性の炎症病変がみられる場合には,免疫抑制薬による治療が第一選択となる.
▪GPAの気道病変で線維性の病変をきたしている場合は,免疫抑制薬の効果は限定的である.
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